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京華日記
ス タ イ ル
2006年12月14日

 

美術館での個展が終わりました。
島根の山の中にある美術館、本当に遠かったです。

今だからこそ言いますが、正直、いったいどんな人が来られるのだろうか? 本当に人が来て下さるのだろうか? 不安でした。はじめて、全く知らない所で、また私の存在すら知らない人々が住む町で… 考えてみれば、大胆なことをしたものだと、自分でも
驚いてしまいます。でも、人って有難いものですね。館長さんはじめ、美術館の方々のご協力もあり、地元の新聞社やテレビ局などが、取材に来て下さった
事もあってか、たくさんの方が足を運んで下さいました。それに、アンケートを取らせて頂いた結果、これだけの加賀友禅を見る機会はないと言うことで、百名近い方が、心温まる御感想を書いて下さいました。本当に感謝です。
 
 地元の新聞にも大きく掲載され、また、テレビでも、一枚一枚、ゆっくり
作品を映して放送されたそうです。後日ビデオを送って下さるそうなので、
また、ホームページなどにも載せたいと思っています。

 そしていよいよ十一月には、地元金沢の めいてつ・エムザギャラリーです。
今回のタイトルは、『スタイル』としました。

 今年、私が手懸けた作品は、今までとは少し違います。たぶん見て頂ければすぐに気づかれると思います。何点か創作していく中で、私独自の新しい
スタイルができた様な気がします。思い描いていたものを、私なりの、感性とセンスで自己表現してみました。
それが今の私のスタイル、京華スタイルです。
去年制作した、琳派梅のシリーズで、今回は『かわせみ』と、えんどう豆の野菜シリーズの中から、『唐辛子』を見て頂こうと思っています。それも、今年の私スタイル、京華スタイルになっています。

 今製作中の『かりん』もそうです。かりんの花ってご存知ですか?
実はかりん酒とか、喉に良いと言うので、のど飴にもなっています。花はピンクのとても可愛い花で、木の高さは6~8mくらいかな?の落葉樹で、バラ科の花なんです。今までバラ科の花はたくさんモチーフにしてきました。
山査子、林檎、桜、ズミ等、でも今回の『かりん』は、シルエットをバックにして、私が考えた綿のような、雲のようなぼかしを入れてみました。それが何とも不思議な感じで… 説明するより見て頂いた方がいいですね。

 昔、NHKの朝の連ドラで「かりん」というのを放映していました。その時は、どんな花だろう?と思っていました。それが、五・六年前に催示で行った先の呉服屋さんの大きな庭に咲いていました。「きれいな花ですね。」と言うとそこの奥様が「あー、かりんね。、かわいいでしょう?私がお嫁に来る前からあったんですよ。」「これが、かりんの花ですか…。」と言うと「主人の祖母がお嫁に来たときからあったらしいですよ。」「へー、そうなんですか。」と私、
「私がお嫁に来てからも、花は毎年咲いているけど、忙しくてゆっくり眺る余裕もなく花が終わっていることもあったり、辛くて泣きながら眺めていたこともあったり…。」と言いながら笑っていらしゃいました。皆、色々あるんだなあと思いながら、かりんの花を見ていました。
 そして、頭の中にかりんの絵模様の雛形が浮かんでいました。
それを、どんな色で表現しようか?と、ずーっと、あたためてきたのですが、今回、新しいスタイルとして見て頂けるかと思います。これは、美術館には間に合わなかったので、十一月の個展までには、何とか完成させたいと頑張っています。

 実は、もうひとつ、私にとってはすごーく嬉しい事がありました。
秋の新作発表会に出品した作品が、百点以上ある中から賞をいただきました。
いつも候補に挙がっていながら、なかなか受賞できなかったのに、やっと頂くことができました。タイトルは『爽流』で、ウスユキ草(エーデルワイス)をモチーフにしたものです。雨山賞(一名)吉野賞(一名)雷鳥会賞(一名)
優秀賞(二名)の五名が受賞しました。私は雨山賞に次ぐ吉野賞を頂きました。
早速、一緒に力を貸してくれた糊置き屋さん、染屋さんにもお礼を言いました。
そしたら、「もう、無冠の帝王じゃなくなったね。おめでとう。」と嬉しそうに笑って答えてくれました。そういえば、この十六年間、追加注文のトップは、何度もありましたが、賞を取ったことはなく、いつも皆に「近藤さんって無冠の帝王だね。」と言われていました。その私が、賞を取ったんです。ほんとうに
ほんとうに嬉しかったです。
そういう訳で『爽流』も十一月にみて頂こうかと思っています。
 
 皆様、めいてつ・エムザ・ギャラリーでの個展『スタイル』に起こし頂けますでしょうか? そしてまた、お知り合いや、ご友人などに、お声を掛けて頂けますでしょうか?できるだけ多くの方に、現在の新しい加賀友禅を観賞し、知って頂きたいのです。どうか宜しくお願い致します。