本当は、軽い気持ちで、ちょっとした思い着きで、始めた作品展のつもりが、いつもの
私の癖で、折角やるならと、つい力が入り、一生懸命になってしまいました。
でも、すごく楽しかったです。
何が楽しかったのか?
どうしたら、できるだけ多くの方に見て頂けるのか?
どうしたら、来て頂いた方に楽しんで頂けるのか?
どうしたら、伝統工芸である、加賀友禅に親しんで頂けるのか?
そして、古い伝統を受け継ぎながら、新しい感性の加賀をアピール出来るのか?
そう言う事をスタッフ達と一緒に考え、悩み、そして、力を合わせて個展まで持って
いきました。そして今、ここまでのプロセスが楽しかったんだ、それが全てだったんだと
気がついています。
お陰様で大変好評を頂き、また、これからに繋がるヒントもたくさん得ることができました。
これは、全て皆様という、人が私に与えて下さったことです。感謝せずにはいられません。
心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
ずっと私のレターを読んで下さっている方々はもうお気付きかと思いますが、今の私は
初めてレターを出させて頂いた頃の私とは少し違っています。
何をつくればいいのか?
私らしい自己表現が人に受け入れて貰えるのか?
楽しくない仕事を断り、主流となっていくかも知れない収入源を自ら断ち切ったことは
間違っていなかったのか? じゃあどうすればいいの? と迷い悩んでいた半年前
トンネルを抜けたらとてもさわやかな青空が見えて来ました。
トンネルを抜けられたのは、勿論付き合ってレターを読んで下さった皆様のお陰以外の
何ものでもありません。
来年の2月にはハワイのコナ市に行って来ます。
石川県との文化交流の為、伝統文化や、伝統工芸をコナ市で披露するとのことで、加賀友禅
から柿本市郎先生と、一緒に実演をして欲しいとお声がかかりました。
「おもしろそう!いきたあい!」という相変わらず軽いノリで引き受けました。
さあ来年は何が起こるのでしょう。
チャレンジしてみたい作品も見えてきました。その時になったらまた、レターで報告するかも
しれませんが、今は少しだけ企業ヒミツをこっそりお知らせします。内緒にしておいて下さい。
加賀友禅では有り得なかった白の染料で白地の着物をつくりたいのです。何年も前からそれを
研究していた染め屋さんが、最近うまく染まる方法を見つけたのです。
白地にモノトーン調子の彩色をしたり、変わった色の組み合わせでぼかしを入れたり…
考えただけでもワクワクしてきます。
でももし、もしも失敗したら、それも正直に報告します。その時は、泣き言を少し聞いて
下さい。今制作中の『ミモザ』これは来年一月の合同展に出品します。これも少し地色に
白を入れてみようと思っています。うまくいくかなあ?
今回の個展がきっかけで何年も疎遠になっていた、女流作家の さんともまた親しくお付き
合いすることになりました。彼女も、私に負けず劣らず波乱万丈を力強く生きている一人です。
最近の彼女は、フランス、ドイツ、オーストラリアを拠点に活躍しています。
面白い話をいっぱい聞かせて貰いました。これからのレターの中にも、時々彼女が登場して
くるかもしれません。
今年最後のレターになりました。来年もこんな私にお付き合い頂けますでしょうか?
どうぞ風邪など召されませんよう、そして良いお年をお迎え下さいませ。